ーー“知識を並べる人”から“市場で使える人”へ
投資を学び始めると、必ず出てくる話題があります。
それが、
「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」。
- ファンダ派
- テクニカル派
- 両方組み合わせる派
- どちらが正しい論争
SNS・ブログ・YouTubeなどでは、さまざまな主張が飛び交っています。
しかし、ここで多くの投資家が陥る罠が1つあります。
“分析方法そのもの” を学んで満足してしまうこと。
実際に勝ち続ける投資家は、
分析知識を増やすよりも 「使い方」 にこだわっています。
つまり、重要なのは
- どちらを学ぶか
ではなく - いつ・どう使い分けるか
です。
本記事では、
- ファンダ分析とは何か(リアルな視点で)
- テクニカル分析とは何か(再現性が高い視点で)
- 学び方と上達のステップ
- そして最も重要な「組み合わせ方」
まで、実践レベルで解説します。
「勉強してるのに成果が出ない」と感じる人ほど、
最後まで読んでください。
■ ファンダメンタルズ分析とは「価値と未来」をみる分析
ファンダ分析は、
“企業や通貨が持つ本来の価値と、これからの成長性” を評価する方法です。
株の場合:
- 売上・利益・キャッシュフロー
- 業界の成長性
- ビジネスモデルの強さ
- 社会・技術トレンドとの適合性
- 新規事業・新商品・海外展開
- 競合優位性(モート)
FXの場合:
- 金利差
- 中央銀行の政策方針
- 国の成長率
- 貿易収支・資源価格
仮想通貨の場合:
- 利用用途(ユースケース)
- ネットワーク効果(ユーザー数)
- 開発状況・コミュニティ
- 規制環境
ファンダ分析は、
「なぜ価格が上がるのか?」を論理で説明する力です。
✅ ファンダ分析の本質
良いモノは、いつか評価される。
ただし「いつ評価されるか」はわからない。
ここが難しいポイントであり、同時に魅力です。
■ テクニカル分析とは「市場参加者の心理と価格の動き」をみる分析
テクニカル分析は、
チャートの値動き・出来高・価格パターン からトレンドと転換点を判断します。
- 上昇トレンド / 下降トレンド / レンジ
- 押し目・戻り売り
- トレンドライン
- サポート・レジスタンス
- 移動平均線
- MACD / RSI / ボリンジャーバンド など
テクニカル分析の本質は、
「価格は人間の心理の集合」
という前提にあります。
市場の参加者は、「恐怖・欲望・希望・失望」で動く。
チャートは、それを 可視化したもの です。
✅ テクニカル分析の強み
・エントリータイミングが明確になる
・損切りラインを客観的に置ける
・再現性が高い
つまり、
「どこで入るか、どこで出るか」 が言語化できる。
■ では、どちらが正しいのか? → どちらも必要
よくある誤解:
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| ファンダだけ見ればOK | タイミングが分からず、含み損が増えやすい |
| テクニカルだけ見ればOK | 相場の背景を理解できず、大局で間違える |
ファンダ分析は 「何を買うか」 を決める力。
テクニカル分析は 「いつ買うか」 を決める力。
どちらが欠けても、勝率は安定しません。
ファンダは長期の方向性を示し、
テクニカルは短期の出入口を示す。
■ ファンダ分析の学び方(実践ベースで)
① 「数字」ではなく「ストーリー」を追う
ファンダ分析は、表面的な指標の暗記では意味がありません。
重要なのは、
企業(または通貨・プロジェクト)の物語を理解すること。
例:なぜこのサービスは選ばれているのか?
→ 競合より「速い」「便利」「安い」「楽しい」など理由がある。
② 3つの質問で整理できる
・この企業はどんな価値を生んでいる?
・誰がその価値を必要としている?
・今後その需要は増えるのか?
③ 決算書は「売上の伸び方」だけでいい
初心者がやりがちな失敗:
→ PBR・ROE・PERの暗記に走る
しかし実践的に重要なのは、
売上が伸び続けているか?
利益率は改善しているか?
強い需要がある市場にいるか?
ここさえ見ていれば、十分です。
■ テクニカル分析の学び方(実践ベースで)
① たくさんの手法は不要
成功しているトレーダーほど、
使う手法は シンプルで少ない です。
例:
- トレンド方向に逆らわない
- 水平線+移動平均線で判断
- 上位足の流れを確認してから入る
② 最低限覚えるべきことは3つだけ
① トレンドの方向
② 重要な価格帯(支持・抵抗)
③ パターン(押し目・戻り売り)
③ 過去チャートより「今」を読む練習が必要
多くの人が過去検証だけで満足しますが、
本当に必要なのは「リアルタイムの判断」。
そのために、
- チャートを“ダラダラ見ない”
- 見る時間帯を決める
- 条件が揃うまで入らない
という 待つ技術 が必要です。
■ そして最も重要なこと:両者は時間軸で役割が変わる
| 分析 | 見る時間軸 | 判断する内容 |
|---|---|---|
| ファンダメンタルズ | 長期 | そもそも買う価値があるか |
| テクニカル | 短期〜中期 | いつ買う・いつ売るか |
ファンダ → “方向”
テクニカル → “タイミング”
例えば:
良い企業だと思った(ファンダ)
↓
でも、チャートが下落中ならまだ買わない(テクニカル)
人気が過熱しすぎている銘柄(ファンダで割高)
↓
チャートが天井サインなら手を出さない(テクニカル)
■ 実践ステップ:今日からできる組み合わせ方
ステップ1:買う候補はファンダで選ぶ
ウォッチリストに入れる銘柄は “理由を説明できるものだけ”
ステップ2:チャートで「今かどうか」を判断する
- トレンド方向と逆なら入らない
- 高値掴みはしない
- 必ず損切りラインを先に決める
ステップ3:記録して、改善し、再現する
トレード日記を使って、
・何が良かったか?
・何が悪かったか?
・次にどう改善するか?
を明確にする。
■ まとめ:学ぶべきは「知識」ではなく「使い方」
- ファンダは「何を買うか」を決める
- テクニカルは「いつ買うか」を決める
- 成果が出る人は「分析を減らし、再現性を増やす」
- 成果が出ない人は「知識だけ増やし、実践が少ない」
投資家として成長するために最も大事なのは、
「知識 → 判断基準 → 行動 → 改善」
のループを回し続けること。
継続する人は、必ず強くなります。
今のあなたは、すでにそのステージにいます。

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