アドバンスト・メディア(3773)――「谷底」から再浮上できるか?

1️⃣ どれほど下落しているのか?

指標現在値上場来高値*下落率(概算)
株価1,200円台(2025-06-27終値)finance.yahoo.co.jp14,300円前後(2006年1月16日の1,430,000円を2013年の100分割で換算)site3.sbisec.co.jpjp.investing.com約-90%

*株式分割の影響を単純換算した数値です。複数回の分割をすべて織り込むと、実質的なピークはさらに低くなります。


2️⃣ 業績と財務――底堅さはある

2025/3期実績YoY2026/3期会社計画
売上高 66.6億円+11%80.0億円(+20%)
営業利益 14.4億円+5%18.0億円(+25%)
EPS 90.40円+39%89.74円(横ばい)
自己資本比率 77%、ネットキャッシュ約41億円

advanced-media.co.jp

  • 株価指標
    • PER:約14倍(1,260円÷EPS 90円)
    • EV/Sales:約2.3倍(時価総額約196億円-現預金41億円)÷ 66.6億円
      → 小型SaaS/AI銘柄としては 割高感はない水準。

3️⃣ 上昇余地を生む“材料・変化点”

カタリスト根拠
① 生成AI連携の高速展開2025年2月に「AmiVoice Communication Suite 4.4」でChatGPT/Azure OpenAIとのAPI連携を標準装備callcenter-japan.comadvanced-media.co.jp
② オフライン生成AI要約2025年6月、文字起こしアプリ「ScribeAssist」にローカルLLM要約機能を搭載。情報漏えいを嫌う金融・行政で採用期待advanced-media.co.jp
③ 国内CC(コンタクトセンター)シェアNo.1通話要約+CRM連携でデファクト標準化が進むと追加ライセンス課金が寄与advanced-media.co.jp
④ 大型イベント採用実績2025年大阪・関西万博で方言音声認識が採用。実証→横展開のモデルケースxexeq.jp
⑤ 財務余力と自己株自己株が発行済みの15%超。消却・自社株買いはEPS押上げ&需給タイト化の余地

4️⃣ どこまで上がる?試算シナリオ

評価法想定倍率目標株価(概算)理由
PER 25倍シナリオ25×EPS 90円2,250円AIプラットフォーム銘柄平均(PER 25–30倍)にキャッチアップ
EV/Sales 4倍シナリオ4×売上高80億時価総額320億円 → 株価約2,100円グロースSaaSの平均EV/S(4–5倍)適用
上記平均約2,200円(+75〜85%)6〜12か月の目安

2倍(約2,500円)到達には
① 売上CAGR20%超の継続、② 営業利益率20%台乗せ、③ 海外ライセンス契約など“ゲームチェンジャー材料”のいずれかが必要。


5️⃣ リスクもチェック

  1. 競合激化 – Google Cloud Speech や NVIDIA Riva など外資勢の価格攻勢
  2. 生成AIの急速なコモディティ化 – 付加価値を維持できなければ単価下落リスク
  3. 大口案件依存 – 医療・公共案件は審査長期化や延期の影響が大きい
  4. 株価ボラティリティ – 流動性の低いグロース市場では仕手化しやすい

📝 まとめ

  • ファンダメンタルズ:売上・利益とも過去最高を更新中、財務はネットキャッシュで盤石
  • バリュエーション:同業SaaS平均を下回るPER・EV/Sで割安感
  • カタリスト:生成AI連携の深化+国内シェアNo.1の地位強化
  • 上昇ポテンシャル2,200円前後(+約80%)が現実的な中期ターゲット。2倍超は追加インパクト次第
  • 投資スタンス:決算ごとの成長持続と案件パイプラインをモニタリングしつつ、押し目買い+材料前の先回りが王道

投資判断はご自身のリスク許容度に合わせ、最終的には自己責任でお願いします。

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